2015年9月11日金曜日

NLP若手の会(YANS)第10回シンポジウム合宿を開催しました

9/3-5に、石川県和倉温泉でNLP若手の会(YANS)第10回シンポジウム合宿を開催しました。記念すべき第10回ということだけではなく、西川、岡崎、海野体制になってから初の開催、そして私が主幹事。学生を含む委員も半分以上が初めての学会仕事で、準備段階から右も左もわからないところからなんとか開催までこぎつけました。みんな不慣れな中、最後の片付けまで頑張ってくれたと思います。至らないところもあったかと思いますが、楽しんでいただけたなら幸いです。

幾つかこっそり立てていた目標があったので達成状況を確認すると・・・

  • 参加者100人(達成、102人)
  • デモ発表10件(達成、飛び込み6件合わせて13件)
  • エンジニア参加者15人(未達、スポンサー・委員以外で9人、但しスポンサー招待枠以外合わせると20人)
  • エンジニア発表5件(ギリギリ達成?、2件(内1件は共著)+当日飛び込み4件=6件、但しほとんどスポンサー)
  • スポンサー10社(達成、14社)

ということで、なかなかの成果というような気がします。 スポンサーしながら参加、という形態が多いようですね。 これだけの数の参加者、スポンサー企業様、発表者の中、うまく開催出来たのはひとえに委員の皆様の努力の賜物だとおもいます。

ところでこのような学会仕事は、昨年から言語処理学会のプログラム委員を担当した程度で、ほとんど経験がありませんでした。 準備から開催までどんなことをしていたか書いてみます。

準備

就任してからすぐ、昨年の秋くらいでしょうか、委員長の3人で組織全体の方向性などの議論をしていました。 YANS全体の指針・ゴールを作ったり、今後合宿が主流になるのではないかということ、負担が大きいので委員を増やす話、お金の管理やスポンサー制度の方針などを何度かにわたって話し合っては3人で飲んだりしていました。 3月の年次大会のYANS懇での投票で、場所は金沢に決定(後に、金沢駅周辺には温泉宿が無いため、一番「近い」温泉地にすることになった。ええ、一番近いね・・・)。 個人的に幾つか考えていたことがあって(これは以前のBlog記事の通り)、そういった内容を委員に話したりしていました。

会場周りは梶原さん、水上さんに会場の宿の下見をお願いしたり、金子さんが根切り交渉して1人数千円安くなったり(みんな感謝するべき)、水本さんにデモ用機材の手配をお願いしてりしていました(デモ発表はYANSでは初めて)。 レクリエーションは中澤さんに全部お願いしていたら、どうやら花火の場所がないよということで、BBQやりましょうという提案を受けて残りは全部お任せ(28kgの肉というメールが飛んできて、ちょっと驚愕)。1人で100人のBBQの準備をほとんどやって頂いて、大変助かりました。 企画は内海さんとも相談していましたが、途中まで私が某ロボットの会社からロボットのレンタルをお願いして、当日ハッカソンに使おうかと検討していましたが、時間が極めてタイトで難しそうだということで、直前にキャンセル。これはやったらやったで楽しかったかもしれませんね。 広報周りは渡辺さん、北島さんに全部お願いして、facebookページやtwitter含めて、現代的な広報活動の幅が広がった気がします。今のWebシステムは10年使い続けていて異様に使いにくく、江原さんに刷新をオネガイ中。私も使い方がさっぱりわからない中、渡辺さんが驚異的なスキルを発揮して、CSSいじってロゴの調整などまでやってくれました。 発表・参加受付は、三輪さんと森田さんがさくっと作って、キャンセル・変更含めて対処頂きました。 発表受付は、意外と小さな変更が後から地味にメールで来るので、どうしても手作業が多くなってしまう部分。 私はといえば、会則や口座の作成(今までなかった!)、企画案、スポンサー・招待講演・チュートリアル対応といった当たり。 事前に宣伝しすぎたのか、スポンサーがたくさん集まりすぎて、請求書・領収書発行がしんどいw

全体的に遅れ気味になってしまったのは参加者・スポンサーの皆様には大変申し訳なかったのですが、スケジュール周知徹底ができなかった(この辺りは全国大会のプログラム委員の進め方は大変参考になる)、またほとんどみんな学会仕事が初めてで戸惑っている様子が見て取れました。 それから、企画イベント運営周りをもっと手厚くする必要があったかと思います。 ハッカソンは、極めて限られた時間で成果を出すというのは、思っている以上に大変なことです。 もっとこちらでテーマを決めても良かったかなという反省があります。

1日目

何も考えずに新幹線をとったら、私は責任者なのだからもっと早く入るべきではということに前日の夜に気づいて、慌てて東京駅のみどりの窓口へ。 多くの委員は、1つ前の特急の9:50分着の電車できました(みんな何もいってないのに早くきて偉いなぁ)。 ついたら早速大量のBBQ用品が届いていて、中澤さんの本気を見た。

初日は得居さんのChainerチュートリアル。 実はRNNが国内であんまりはやってないんじゃないかということを、後から気づきました。 RNNのチュートリアルとしても大変わかりやすかったんじゃないかとおもいます。 企業セッションは、最終的に1社15分で落ち着いたんですが、初日は若い企業が多くてキレイなオフィスやランチがキラキラしていました。 弊社とは違いますね。

USTREAM配信を渡辺さんに相談したら、機材ありますよということでお願いしていました。 そしたら、気づいていた方も居ると思うのですが、指向性マイク(初めて見た・・・)やヘッドホン含めた音響機材が出てきてびっくりしてしまったw 回線が極めて細い環境で、どうにか配信できたのは良かったです。

恒例(?)の交流企画は、私はハッカソンの監督をしないといけないという事に気づいて、Chainerのサポートをしていました。 Twitterを眺めていたら、みんな楽しそうにしていたので良かったかな? 来年は卓球をやろう。

夕食後にスーパーに野菜の買い出しへ。 実は、裏で中澤さんと内海さんが魚や野菜を現地調達していたのです。 100人分の食材ということで大量に買い込んでいました。

この日は、夕食後に3時までビールを飲んでいました。 賀沢さんの話が相変わらずおもしろいので、2日目の企業セッションに期待が高まります。

2日目

朝起きると、圧倒的に眠くて不安がよぎります。 朝はポスターセッションと企業セッションです。 ぷよぷよAIと、ミクのデモ発表が大変クオリティの高いデモで、非常に盛り上がっていたのが良かったです。 実はWiiに接続できるように、1台だけ水本さんにお願いして、wiiを接続できるディスプレイにかえてもらっていました。 あれだけクオリティの高い発表が見られたので良かったです。 音を使ったデモが多かったので、スピーカーもレンタルしても良かったですね。

昼はBBQですが、実は2時間位必要と言われて、しかも場所が車で30分位のところ。 合計3時間を交流に当てたお陰で、全体のスケジュールがタイトになっていましたw 開始1時間前には、委員の大半を現地に送って炭を起こしてもらい、終了後は残って片付けをお願いしていました。 お陰で、タイトなスケジュールにもかかわらず、時間通りに進みました。 まな板が無かったり、油が無かったり、トングが無かったり、サザエが開かなかったりしましたがまぁいいでしょう! キャンプ場に到着する直前で雨が降ってきたにも関わらず、最終的に晴れたのは幸運。 この時も、委員の皆様にはずっと野菜の下ごしらえなどをお願いしていたのですが、最終的に皆さんBBQを食べられたようで良かったです。

午後は、小沢さんの招待講演。 期待通りの講演内容で、私も今の職場で4年位OSSに関わっている身としては、まさにOSSあるあるでした。 プログラムがかけるということと、開発に携わるということにはギャップが有るわけですよね。 Hadoopくらい大規模に人が関わっているプロジェクトでの意思決定の方法というのは、大変参考になりました。 実はこの日は、MeCabの工藤さん、CRFSuiteの岡崎さん、neologdの佐藤さん、Ckylarkの小田さん、それからChainerの得居さんとJubatusの私と、OSSの人が結構集まっていたのですよね。 NLP業界はOSSに携わる人は、非常に少ないと認識しています。 カジュアルに貢献できるところもあるので、是非とも挑戦していただきたいと思っています。

2回目のポスター発表の裏では、会計の原島さんと斉藤さんが無限に領収書とお金の整理をしていました(備品やイベントが多かったので、経費がそこそこかかっている)。 この段階でほとんどお金の整理や宿への支払いがすんでいたので、最終日の片付けがずいぶん楽でした。 この辺り、さすが企業人のお二人の仕事は丁寧で安心できます。

賀沢さんの企業発表はさすがに面白く、プロジェクターに画面が映らないので、青字に青で発表(要は何も映ってない)という技が編み出されました。 これは汎用的。 残り時間を常に確認しながら、残り4秒まで発表するというスタイルは本当にすごい。

2日目のイベントとして、スポンサーによるパネル討論(座談会みたいな感じ)をやりました。 これは個人的な想いがあって、学生の頃企業がどういう活動をしているかとか、研究がどう役に立っているかということが全く見えなかった。 特にB2B企業のイメージが当時全くついていなくて、その後B2B企業を2社経験している身としては、世の中でどういう技術が求められているのかということは是非企業側の人間の口から語って頂きたかったのでした。 午後も遅い時間になってしまって皆さんだいぶ疲れていましたが、何かしら伝わっていたら良いなとおもいます。

この日も結局夜までビールを飲んで、最終的には3時半でした・・・。前日より遅くなっている。

3日目

頑張って7時半に起きたつもりが、これまた絶望的に眠いんですね。 最終日もポスターと企業発表。 デモ発表が、募集当時余り集まらなかったのですが、きっと当日飛び込み発表があるだろうと思ってそのままディスプレイを残しておいたのは良かったです。 最終的にはほとんどの枠が埋まっていました。

ハッカソンは、今年は小規模に無理しない範囲でやってもらうというイメージでしたが、最終的に発表までこぎつけたのは5チーム。 Chainerは、さすがに他のフレームワークや機械学習の基本的なところを理解していないと、すぐ使うのは難しかったようです。 そんな中でも、同部屋だったNAIST佐藤さんは一瞬で使いこなしていて(もともとTheanoを使っていたようです)、部屋に帰るたびにかなり突っ込んだ質問を受けました。 今後もパッチを送っていただけると助かります。 それから、LINEの佐藤さんはさすが短期間で見える成果がでて、面白い発表をしていました。 プログラムを短期間で作るのは大変だから、全員でデータ作っては?という案はあったのですが、かなり理想的なカタチでの発表だったと想います。 今回の、「エンジニアリング」というテーマは、決められた期間内でいかに成果を出すかということが重要ですから、いろんな形での発表がもっとあっても良かったです。

全体を通して、発表で個人的に面白かったのは日本語に対する変換を繰り返すことで機械翻訳の結果が非常に改善される話で、なるほどその発想はなかったというYANSらしい発表だったと思います(最終的に奨励賞でした)。 それから、会期中ずっと働き通しだった梶原さんは本当にお疲れ様でした。 宴会場で、中居さんに唯一名前を覚えられていて吹きそうになりました。 きっと数年後委員長をやっているでしょうw

その後

解散後は、残った委員で片付けです。 レンタルディスプレイの返却をしなければいけなかったのですが、集荷が15時以降になってしまうということでだいぶ頭を悩ましましたが、実は水上さんの実家が金沢ということで、残って集荷の対応をしていただきました。 これには本当に助かりました。

ということで、残りの委員は一足先に帰路に。 途中金沢で降りた数名で、駅前の寿司屋で早めの夕飯を。 この日の結論は、生蟹>生のどぐろ>大トロ。 私は、特急・新幹線の全行程で寝ていましたが、なんだかMOの話で盛り上がっていたらしいですw

今回、初めて大規模なイベントを主催しまして、準備から当日まで結構大変でした。 それでも委員の皆様が、裏方に徹してくれたお陰でうまく進行できたり、チュートリアルや招待講演、スポンサーの皆様は趣向を凝らした発表で、参加者の皆様も楽しめたのではないかと思います。 運営周りはまだまだいくらでも改善できる余地があるので、残りの2年間はその辺りをガッツリ整備していきたいですね。 ところで、来年もやっぱり合宿ですかね・・・

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