2010年3月5日金曜日

IME戦国時代

先月途中まで書いてたのが今更になってしまいました.

昨年末,Googleが日本語入力システムを出したのを皮切りに,Baiduも日本語入力を投入したニュースを聞いて久しい.

Google日本語入力
「Google日本語入力」開発者が語る、その狙い
Baidu Type - 日本語入力システム
バイドゥ、日本語入力ソフト「Baidu Type」を公開

日本語入力システムといえば,それこそ初期の自然言語処理の花形,そして自然言語処理が最も成功したアプリケーションの代表格です.しかし,それは詰まるところよい意味で枯れた技術.それがここに来て検索2社から立て続けにリリースされたというのは,なぜ今更?という意味で新鮮でした.加えてこれらがフリーで提供されていることが,すでに商品として,お金をいただいて提供するソフトウェアではないほどに成熟したことを表しているように感じられます.
もちろんお家芸のジャストシステムも黙って見ているわけではないようで,早速(?)新商品で打って出ています.加えて,社内の用語統一などの機能を盛り込んだ法人向けATOKも新登場.もう「枯れた」と思っていた分野に,こうも新しいフレーバーが盛り込まれるとは.これも競争にさらされた上での進化なんでしょうかね.

ジャストシステム、一太郎2010やATOK 2010を発表
ジャストシステム、法人向けに本気の「ATOK」を新発売--コンシューマーイメージを払拭へ

私は今まで日本語入力に関してノータッチだったのですが,実は研究として続けている方が予想以上にいることを最近知りました.@mamorukさんや@tkngさんのChaIMEや,@nokunoさんのSocialIME.あと,京都の森先生のKAGAMIとかがあるらしい.やはり,その他の自然言語処理と同じく,今までのルールベースから統計手法にシフトしているようです.私はフルチューンしたルールベースに統計手法は勝てない,なのでATOKが一番!と思っていたのですが知らない間にATOKも統計にシフトしたみたいですね.
それほど不自由に思うことも少ないこのご時世,よくもまぁこんなにたくさんあるんだと感心します.最もユーザーに近いインターフェースの部分を担うだけに,少しの不自由の改善も大きな効果が期待できるんでしょうね.それこそ,構文解析の1%を改善するより大事かもしれませんw コンピュータで一番大事なのは,CPUではなくてキーボード,マウス,ディスプレイをモットーとするインターフェース最重要論者の私としても,なんかしたいなぁと思うところ.これからどういう方向に発展していくのか期待しながら見ていくことにします.

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