2015年3月28日土曜日

言語処理学会年次大会に参加しました

先週1週間、3/16から21まで、京都大学で行われた言語処理学会の年次大会に参加しました。 参加者が確か800人くらい?、発表件数270件以上と、年々増えているようです。 他の業界の規模を知らないのですが、情報処理の中の1つの分野でこれだけ集まるというのは多い方なのでしょうか。

初日のチュートリアルは春の情報祭にいっていたので参加できませんでしたが、最終日のワークショップまで丸々1週間の長丁場でした。 何が大変というと、例年毎日飲み会で、毎日朝9時から始まるのでずっと寝不足で大変疲れました(完全にダメだ)。

発表は気分の赴くままに聞いていました。 懇親会では、NICTの渡辺さんとIBMの坪井さんと、深層学習どんな感じでやってるのかの話を聞けたのはラッキーでした。 ところで、前職の時にインターンのメンターを毎年やっていたのですが、その出身者に何人か再会。 皆様、研究者としてちゃんと研究発表していて感動しました。 よく考えると、彼らも5年目かそれくらいなんですよね。 教職をやっている方のモチベーションというのはこういうところから来るのだろうかとちょっと思いました。

最近は発表もせずに、発表を聞いては飲みに行くばかりでしたが、今回は2つほど大きな仕事がありました。 1つはNLP若手の会主催の懇親会(YANS懇)で、これも10年ほど続いているイベントなんですが、今年は参加者が120人弱と過去最大。 森田さんはじめ、委員の皆さんがテキパキ動いてくれたおかげで、無事に開催出来ました。 私はリクルートにもらった赤いハッピを着て、司会進行的なことをしつつ練り歩いていたら、ビックカメラの店員みたいという評を頂きました。 私が学生だった頃は同期の横のつながりがほとんど無くて、当時から知りあいだったのは東大の佐藤くんくらいでしょうか。 NTTの西川さんや数原さんなど、就職してからたまたま知り合う機会があったのは幸運でした。 外部に繋がりのある同期がいるというのは、精神上もモチベーション上も大変助かるものです。 こうした機会をうまく活用できてくれたら幸い。

もう1つは、年次大会のプログラム委員として裏方として働く機会がありまして、私はプログラムの作成(270件の発表を発表時間枠に収めていく作業)や、プログラム一覧のHTMLを生成していました。 これが完全に名寄せ作業で、せっかくなので読み推定や所属の同一判定(結局正規表現でしたが)などをしたりしていましたが、翻字の問題があったりなかなか大変。 手近な課題を、ちゃんと自分の技術で良くすることをしたいものですね。 最終的に過去のスクリプトを大改修したので、これから利用する人には少し便利になったかな・・・。 ところで、初めて委員の仕事をしてみると、委員の先生方の仕事が尋常じゃなく大変で、本当にメールがバンバン飛び交っています。 無事に毎年大規模な会議が開催出来ているのは、こうした先生方の苦労があるんだということは知っておくと良いかとおもいます。

最後の2日間のワークショップは示唆に富んでいて、一番面白かったです。 だいぶ疲れてましたが。 個別の話で面白かったのは、以下のあたり。

  • 藤田さんが、大規模な言い換えリソースを別タスクに適応しても、目に見える精度上の効果が出ないという話をしていました。応用の中で評価するというのも難しいところがあるという文脈だったと思いますが、この先にどうすべきかがある気がした
  • 西川さんが、要約の要件をベースにエラーのあるべき分類を作っていました。まず要件から入るべしというのは、応用系タスク全般に使えそうな考え方
  • 東中さんが、対話破綻の分類の話をしていました。具体例は圧倒的に面白かった。個別の現象に名前をつけていて、これは共通言語を作る必要があるからというのはかなり重要な指摘
  • 「DeepLearningで世の中は変わりません!」
全体を通して思ったのは、共通基盤といいますか、業界全体で問題を共有しつつじわじわ問題を解決していくような体制づくりが必要なのかなと思いました。 論文を書くのがゴールというだけではダメなのではないか。 何人かの人とこの辺りに関して話をしていますが、そのうち何かが公開されるかもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿