言語処理学会年次大会,通称NLP2010に参加してきました.グループで聴講セッションの分担もあったのですが,私はなるべく普段聞かないような研究を聞きに行ったので,大変おもしろかったです.新しい問題意識ができたり,興味有る文献へのポインタもわかったり,収穫も多かったです.全体の感想としては,実に多様なアプリケーション,問題設定があるなという点で感心しました.自分は想像力が足りないのか,そういう新しい問題設定が苦手です.ただ逆に問題が多様化しすぎて,地味な基盤的研究が減った印象があります(単に聞かなかっただけかも).学生さんには人気なさそうですが.
twitter上でしか知らなかった方にたくさんお会いしました.コミュニケーション生成に確実に役立っているようです.挨拶と同時に「アカウント知ってます」や「ブログ読んでます」といろんな方にいわれましたw 実力以上に知名度だけ先走りしてしまったようです.学生の内からtwitterなりブログなりで名前を売っておくと,話しかけorかけられやすくなるかもしれませんよ.
私の発表は初日の朝9:00からのセッション.時間オーバーしました.すいません.さっそく,@mamorukさんに紹介いただきました.ありがとうございます.あまり質問が飛ばなかったのは,やはりわかりにくかったのかもしれません.ここで補足させていただくと,指数個候補が存在する分布における関数の期待値を,関数に制約をかけること(係り受け木上の最短路の重み付き距離),候補に制約をかけること(後方係り受け限定),分布を近似することで(同時確率を周辺確率の積で近似)多項式時間で計算できるようにしました,というのが技術的に面白いところです.周辺確率を計算するのに動的計画法を使って,距離の期待値を計算するのにもう一度動的計画法を使います.ちなみに,直接私の成果ではありませんが構文解析技術は弊社製品にすでに使われているというのもあって,こうしたモチベーションが生まれています.応用よりの具体的な問題意識というのは,アカデミックよりも私のような企業の研究者が学会に持ち込まないといけないなぁと最近思ってます.
発表のうまい人のを聞いて思ったのは,大事な部分は3回くらい言うしつこさが大事に思いました.イントロで1回,説明に1回,まとめで1回,くらいで.「まず例を出せ」,というやり方もありますね.そのほうがよかったかも.@hillbigさんが,やはりとても発表慣れしているというのと,発表の組み立てがうまいと感じました.簡単な内容ではないはずなのに,技術のコアの説明は誰よりもわかりやすくて,それ以外は大胆にカットして大事な部分だけ印象づけさせているように感じました.参考にしたい.
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